蒸気
蒸気(Steam)は、水をボイラーや熱交換器で熱することにより得られる気体。パイプで分配することで、蒸気機関や蒸気タービンにおける電力生成に利用できる。蒸気はまた、原油精製所で石炭の液化をする際にも利用される。蒸気は流体なので、貯蔵タンクに貯められる。
電力生成
蒸気に含まれるエネルギーは、温度と線形に比例して上昇する(気温15°C分は差し引いて)。蒸気のエネルギー貯蔵はちょうど200ジュール / 1単位 / セルシウス温度で、つまり1単位の温度が1度上がるごとにちょうど200ジュール増える。
どんな場合にも、ボイラーで作られた蒸気は165°C、熱交換器で作られた蒸気は500°Cになる。温度の高さは単位蒸気あたりのエネルギー密度の高さに等しく、つまり高温であればあるほど体積あたりエネルギーも高い。パイプや貯蔵タンクを流れたりとどまったりする蒸気はその過程で熱を失うことがなく、水を蒸気にするために注ぎ込んだエネルギー量は、蒸気エンジンやタービンが100%の効率で稼働するならばそっくりそのまま返ってくる。(注意: ボイラーは蒸気の生成時に50%の効率しか出せない!)
たとえば、25000単位の165°C蒸気を蓄えた貯蔵タンクは、
(200ジュール / 単位 / 摂氏) * 25000単位 * (165°C-15°C) = 750 000 000ジュール = 750 MJ
同様に、25000単位の500°C蒸気を蓄えた貯蔵タンクは、2.425 ギガジュールのエネルギーを持つ。これは完全に充電された蓄電池485個分に匹敵する、驚くべき大容量と言える。
(200ジュール / 単位 / 摂氏) * 25000単位 * (500°C-15°C) = 2 425 000 000ジュール = 2.425 GJ
蒸気エンジンやタービンの扱える温度より低い温度の蒸気については、電力出力は低くなるものの、エネルギー損失は発生しない。しかしながら、蒸気エンジンやタービンの扱える最高温度より熱い蒸気については、電力出力が上限値によって制約され、余剰エネルギーは損なわれる。これにもかかわらず、蒸気エンジンとタービンのどちらも、任意の発生源に由来する蒸気から電力を生成できる。
トリビア
- 貯蔵タンクの充填メーターは、蒸気の場合、下からではなく上から溜まっていく。